会長の”三行日記”

2014.10.15

ノ-ベル平和賞 No.2632

 ノ-ベル平和賞がパキスタンの17歳女子学生マララ・ユスフザイさんと、インドの活動家カイラシュ・サティヤルティさんの2人に決まりました。マララさんはご承知の通り、女子教育の権利を唱えてイスラム過激派に頭を撃たれ一命を取り留めた人です。

銃撃から奇跡的に回復したわけですが、少しもへこたれず現在も全ての女子や児童への教育実現を唱えている勇気には、とても17歳とは思えない並々ならぬ決意と固い信念が感じられるものです。特に受賞後に語った「これは始まりにすぎない。私はすべての子供たちに学校に行ってほしい」との言葉が全てを表わしています。

このマララさんたちの受賞には全く異議を唱えることはありませんが、一部に伝えられていた戦後憲法9条を守り抜いてきた「日本国民」というのも面白い話でした。そうなれば私たち護憲派にとっては、集団的自衛権の行使を容認し、いったいどこに進もうとしているのか判らない、現政権を揺さぶる良いチャンスでもあったわけです。

この話が出たそもそものきっかけは、座間市に住む2児の母親である主婦のアイデアであったみたいです。「平和が大切」「子どもを守りたい」という思いがあるものの、子育てに追われてデモや集会には参加できないことから、家でもできることとしてノ-ベル賞委員会にメ-ルを送り始めたというのです。

また署名集めのサイトもつくり、集まった署名をこの委員会に送っているうち、「憲法9条にノ-ベル平和賞を」実行委員会が発足し、そして今年の4月、とうとうその候補として受理されたという連絡が入ったのです。

まさに「一念岩をもとおす」という言葉通りの執念による実りですね。実行委員会の共同代表は「運動が国内的にも国際的にもここまで評価されるとは。受賞して憲法改正の流れを止めたい」とまで語っていました。

ここまで当局に評価されたのも、安倍政権による9条の解釈変更が武力衝突の兆しとして懸念されていて、東アジアでの緊張の高まりに言及し、この平和賞が創設当初の戦争防止の原点に返るのは時宜にかなっていたからです。

でも残念ながら受賞には至りませんでしたが、改憲派に対してはそれなりのプレッシャ-にはなったのではないでしょうか。ある改憲派閣僚は「そんなことになったら自民党は終わりだ」とまで言っているほどです。

また自民党内にもハト派として知られる谷垣幹事長あたりは、こうした流れを快く受け止め、できれば候補のまま最後までいって欲しいと言っていたほど、考えに温度差が見られたものです。要はこの先も根気よく平和を守る運動を進めるべきということです。今回このことで世界が注目しているくらいですから、改憲には最後までノ-と言い続けたいものです。

明日16日は早朝から寒川の方へ現場調査の依頼があり、一日出掛けますのでカキコミは休ませていただきます。