会長の”三行日記”

2014.06.04

ちょっと変だな No.2574

 ちょっと変だなと思うのが飲食店チェ-ン、すき家です。地元のお店の中でも「パワ-アップ改装中」という看板を立てながら、いつまで経ってもオ-プンしないお店があります。てっきり、リニュ-アルするものと信じていたのですが、どうやらそれもちょっと様子が違うみたいです。

それというのも従業員の手が足りないと言われているからです。5月末にアルバイトによるストライキが行われると、一部ネット上へのカキコミがあったみたいですが、会社広報によるとそれもないらしく、具体的な会社への要求もないとのことです。

それではいったいなぜと思わせられるのですが、やはり手が足りないのは事実みたいです。大学生で学業とともにバイトに励む人の中には、急な用事ができたり、体調を崩したりして、働けなくなるときがあります。

でもバイト先によっては、休む際には代わりに出勤できる人を見つけるよう、求められる場合があると言われています。つまり交代要員がいないと休めないのです。こうしたことによって、逆にどんどん人手不足の流れが進むように思われるのです。

このバイトにその代わりを見つけさせるということは、法的にもちょっと問題があるようです。特に病気の際など、会社が代わりに出勤できる人を見つけなければ休ませないというような運用をすることは、違法に当たるとのことです。

でも会社側にしてみれば、従業員に突然休まれれば職場に迷惑が掛かります。もちろん悪質な従業員の欠勤で、会社に損害が発生したような場合には、損害賠償義務を負担し、金銭を会社に支払わなければならないケースもあり得るわけです。

しかしアルバイト従業員が他の従業員を手配する義務までなく、従業員を手配する責任を持つのは、あくまで会社側(使用者側)だと言われるのです。ですからバイトが代わりの人を探してほしいという会社の命令に従う必要はないのです。

元々すき家は少ない従業員で店舗を運営する手法で利益率をを高め、店舗を拡大してきています。それが上記のような理由でアルバイト従業員の退職が相次ぎ、今年の2月以降、苦境に立たされていると言われているのです。

同じ牛丼チェ-ンの吉野家が1店舗に社員を含む2人以上の配置をするのに比べ、すき家は利益率を高めるため、アルバイト1人だけで1店舗を切り盛りする独自の運営手法を展開するのですが、2月から吉野家同様、鍋メニューを始めたことにその原因があるようです。

ただの牛丼なら大鍋で煮込むことから、一人でも何とかこなせるようですが、1食分ずつ小分けして保管する「牛すき鍋定食」はこれに比べ作業の負担が大きく、これがどうやらバイトの一斉退職を引き起こしたと言われるのです。

やはり労働環境を改善しない限り、なかなか失った人手は戻ってこないのではないでしょうか。ある意味、人の問題を軽視していた結果とも言えるわけです。こうした人が気持ちよく働くことのできる環境や、モチベ-ションを高めていくことは会社の利益より何より大切なものと考えます。まさに同友会の言うところの労使見解の精神です。