会長の”三行日記”

2014.03.20

大臣の遅刻 No.2546

 石原伸晃環境相が参院環境委員会に約10分遅刻したとのことです。10分ぐらい遅刻したからと言って、目くじら立てて言うことでもないと指摘されるかもしれませんが、大臣が遅刻するのは極めて異例のことであるそうです。

また遅刻の言い訳がいけなかったようです。自宅から車で国会に向かう途中の道が事故で渋滞していた為と答えていたそうですが、調べたところ事故は起こっていなかったようです。

そんな出来事を天声人語でも、「遅刻大臣の不徳」と題して取り上げていました。少し抜粋して紹介します。大正の末ころの勤め人の朝の光景である。出勤するとまず同僚と雑談する。喫煙する。便所にいく。面会人がある。ぶらぶら散歩する……。

一向に執務に集中せず、能率はあがらない。昔のことでも、ひとごとでもないなと思いつつ、おもしろく読んだ。『遅刻の誕生』という研究書に紹介されている。

近代化をめざす明治以降の日本が、産業経済の効率をあげるためにいかに時間を管理し、人々を規律の枠にはめてきたか。先人の努力は大きく実った。いまや日本はおそろしく時間にやかましい国になった。

朝の通勤の電車のなかで、遅れをおわびするアナウンスを聞いたことがない人はいまい。2、3分のことでも「お急ぎのところ……」となる。事故渋滞のせいと釈明したら、事故はなかったこともわかった。

審議の前に予定されていた皇居での国賓歓迎行事も、出席できる状況だったのに欠席し、批判の火に油を注いだ。石原氏は「不徳」を認めて小さくなっている。「たるんでるよ」というヤジには一言(いちごん)もなかろう。

多数派で安定的な政権が続く自民党だからこそ、逆に気を引き締めなければいけないところですが、こうしたところは私たち凡人と何も変わらず、野次にあったような、タルんでいると言われても仕方のないものです。

一国の大臣たろう者が、映画「釣りバカ日誌」でお馴染みの浜ちゃんと同じような真似をしていては、いかがなものでしょう。決して揚げ足を取るわけではないのですが、新年度の予算が成立し、笑っていいとものテレフォンコ-ナ-にも出演したという、ご機嫌の安倍首相同様、ちょっとした緩みが気になるものです。