会長の”三行日記”

2013.09.13

好調セブンイレブン No.2456

 火曜日、水曜日と熱海のホテルの油移送ポンプの切替工事で出張してきました。消防法等の改正で、地下タンクの設置基準が厳しくなった関係で、ボイラ-で使う重油を地上タンクから、ボイラ-への供給のサ-ビスタンクまで、直接移送しようとするものです。

今までは業者から仕入れる地上タンクから一旦、地下タンクに移し、ここからサ-ビスタンクまで自動制御で移送していました。このため、地下タンクを少なくない金額で改修するなら、いっそのこと、これをやめてしまい、地上タンクから自動制御でサ-ビスタンクまで移送しようと、設備と電気、それぞれ新たに改修を行ったのです。

費用的にはこの方が少なくて済むことから、今後、同じような案件を抱えているホテルからは、少なからずこうした引き合いがあるのではないでしょうか。期待したいものです。

さて前置きが長くなりましたが、コンビニのリ-ダ-格とも言えるセブンイレブンが好調です。つい先日は一部フランチャイズの加盟店から提訴された、消費期限対策の安売り戦略に対しての本部からの禁止措置に対し、原告の訴えが認められる判決が出たようですが、そんなことを全く苦にしないほど、業績はすこぶる順調のようです。

それというのもセブンイレブンの実質創業者であり、現会長兼CEOの鈴木敏文さんのお店へのこだわりが特に強いようです。まず弁当1つとっても、鈴木さんは来客がない限り、役員と共に弁当の試食を続けているそうです。

40年間続いているそうですが、ご本人は小売業をやってれば当たり前のことだと話します。たとえばチャ-ハン、家庭で作るのと違って大量に作ると、どうしてもベタつきます。このため、販売を中止しながらチャ-ハンを作る機械を1年半も掛けて開発したとのことです。

また赤飯や冷やし中華なども同様で、設備から新しく作っていて、冷やし中華は10回以上作り直したと言います。このように一つひとつの味を大切にして、こだわってきたからこそ他社との違いがあるのではないかと言われています。

そして同社はこの40年間、行き詰ったことがないといいます。1日の販売が約67万円で、他社と10万円以上その開きがあります。また不振店の割合も1~2%と驚異的な数字を示しています。これは接客や欠品に対する考え方を積み上げてきた結果だというのです。

それから速くなっている時代の変化に敏感に対応しているからこそ、今日があると言っています。課題は新しいものをどこまで出していけるかという、人間の心理への挑戦とのことです。新しいものが出たから買いたくなるわけで、食べ物も同様で、おいしいものを食べたいが、明日はまた違ったものを食べたくなるのが人間の心理だと指摘します。

また系列のヨ-カ堂に比べ、なぜセブンイレブンが違うのかという問い掛けには、問屋に任せ切りの前者に対し、セブンイレブンはもがきながら成長してきたからだと言います。お客様の要望をいち早くキャッチして新しい商品に反映させようとする、仕事に対する姿勢が違うためです。

これでは売上げが伸びず苦戦している他の既存店と違いが出てくるわけです。PB商品にしてもただ安いといったものではなく、どんどん良いものを開発し、最高の品質のものを提供するといった、新しい常識を持ち合わせています。

こうした同社の戦略は私たち他の業種においても、そのまま通用するのではないでしょうか。欲を言えば、2013年2月期には単独営業利益1867億円と3期連続増益、最高益を更新している同社ですから、巷でたまに噂されている、不振が続くとすぐチェーン店の契約を切るようなことではなく、業界のトップの座に恥じないよう、人間的な心豊かな経営を目指してもらいたいと願っています。