会長の”三行日記”

2013.08.01

うなぎ No.2439

 8月になりました。7月から暑い日が続き、長い夏になりそうですが、各地で大雨の被害が続きます。やはり異常気象なのでしょうか。暑い夏にバテることなく、元気で乗り切りたいものです。

さてそんな暑い夏を乗り切るのに、スタミナと栄養がつくものと言ったら、やはり鰻ではないでしょうか。でもこの鰻、最近ではなかなか獲れないらしく値段も上がる一方です。ですから私たち庶民の口にはなかなか入りにくくなっているのが現状です。

私たちが今まで主に食べているのはニホンウナギなのですが、このほとんどと言えるものは養殖物です。でも近年、この養殖に使うシラスウナギと呼ばれる稚魚の不漁が続いているため、2年ぐらい前の末から価格が高騰し、数年前の2倍まで跳ね上がってしまったのです。

そして絶滅危惧種に指定しようかなどの動きも出てきたわけですが、近頃、これに代わる鰻のことを紹介しているのを耳にしました。ビカ-ラと呼ばれるものです。これはフィリピンやインドネシアに生息するものですが、資源に比較的余裕があるとのことです。

従って稚魚の値段もニホンウナギの1/10以下と言われていて、日本や中国の養殖業者が目をつけ始めたと言われています。1匹1000円以下で売れるからです。でも稚魚が1/10以下ならもっと安く売れるのではないかと思うわけですが、ニホンウナギと違って、養殖方法がまだ確立していないらしく、成魚に育つまでに死んでしまうものが多いからです。

それでは肝心な味はいったいどうなのかということですが、これが結構いけるらしいのです。日経の記者それぞれにニホンウナギと中国産ウナギ、そしてこのビカ-ラという3種類を、正体を明かさずに試食してもらったところ、意外とその正体が当たらなかったのです。

ニホンウナギなどは百貨店で売られている老舗の宮崎産だったのですが、それでもはっきりと言い当てることができないほど、判別が難しかったと言います。特に中国産のウナギはこれがビカ-ラではないかと皆が間違えるほど、あまり食べたことのない味と指摘していたくらいです。

このように中味を伏せて食べてもらうと、結構、人間の舌などいい加減なものなのです。でも言い換えれば、それだけ味が似通っているとも言えるわけです。まあ、そんなわけでシラスウナギがなかなか獲れない現状では、それに代わる品物でも仕方ないのではないでしょうか。

とにかく日本人が好んで食しているウナギだけに、いつでも気軽に口に入るようになってもらいたいものです。また日本人の優れた養殖や加工技術があれば、今までに劣らない味も作り出すことは可能だと思われます。もちろん低価格であることは言うまでもありませんが...