会長の”三行日記”

2013.07.24

全英オ-プンから No.2434

 フィル・ミケルソンの優勝で終わった今年の全英オ-プンですが、松山英樹選手の活躍がひときわ目を引いた大会でもありました。やはりこの選手の持つ潜在能力は、並外れたものと感じた人は少なくなかったのではないでしょうか。

お陰で土曜から日曜の2日間、深夜のテレビ中継から目を離すことができず、寝不足の日が続いたくらいです。そんなゴルフ中継を観始めた土曜日から日曜日に掛けての3日目、松山選手にちょっと不運なアクシデントがありました。

終盤の17番にきて、スロ-プレ-ということで1ペナルティ-を課せられたのです。このホ-ル、ショットが安定していた松山選手にはめずらしく、ティ-ショットを大きく左に打ち込んでしまいました。

ボ-ルが落ちたところは深いラフ、しかもその前に日本人ギャラリ-の背中にボ-ルが当たっていたのです。従って自分の手袋にサインをして、詫びながら渡していたところも映し出されていました。

またこのロングホ-ル、深いラフからフェアウェイに刻むにしても、バンカ-とマウンドを越えなければいけない難しいショットです。ですから多少の時間が掛かっていたかもしれませんが、気になるほどの時間ではなかったはずです。

でもその前のホ-ルで警告を受けていた松山選手に、時間が掛かり過ぎているとして1ペナルティ-が課せられてしまったのです。ホ-ルアウト後のインタビュ-でも明らかだったように、この措置に対して本人は全く納得がいかなかったようで、怒りの表情さえ覗かせていたくらいです。

また同組競技者のアメリカのジョンソン・ワグナ-選手からも、松山選手のペナルティ-に対し、強硬に反論してくれたみたいですが、裁定は覆ることがありませんでした。ここで少し感じたのですが、同様なケ-スがもしタイガ-・ウッズのような選手だったら、どうだっただろうかということです。

おそらくペナルティ-はつかなかったことでしょう。付けても大きな問題にならない選手だと判断されたのではないでしょうか。この影響で続く18番でも精神的に動揺し、ボギ-をたたき、結局2打余分なスコアがついてしまったのです。

でも一夜明けた最終日、松山選手にはそんな小さなことなど引きずらない強さがありました。何とこの日、4日間で一番良い1アンダ-のスコアで上がり、トータル+2で6位に入ったのです。結果論かもしれませんが、もしその前日の余分な2打がなければと悔やまれたほどです。

というわけで、この選手には大きな可能性があることを、私たちにしっかりと示してくれました。また全英オ-プンという大舞台ですから、世界にもその存在感を示すことができたのではないでしょうか。

従ってこの先、ビッグタイトルを獲ることは時間の問題だと思われます。そしてそう遠くない日、今回のように簡単にペナルティ-がつく選手ではなくなっていることを強く願っています。楽しみがまた1つ増えました。