会長の”三行日記”

2013.06.07

個への着目 No.2406

先週の火曜日の対オ-ストラリア戦、日本がとうとうW杯への出場を決めました。後半の35分過ぎの終盤、相手のフリ-キックがそのままゴ-ルするというピンチに立たされましたが、何とかPKを奪って引き分けに持ち込んだのです。

観ている大半の人間は、終わりが近づいていた時点での相手のゴ-ルだっただけに、このまま負けてしまうのかという思いを抱いたと思われますが、そこは日本、持ち味のスピ-ドとコンビネ-ションが最後に相手のミスを誘ったのです。

やはりそこに位置したのは本田と香川の両選手です。阿吽の呼吸と言うのでしょうか、このクラスの選手となるとお互いの意図するところがよく解るのでしょう。何としてでも1点を取るという、執念が相手のハンドというミスを生み出しました。

そこでPKを蹴ったのが本田選手です。私たち観ている方でも、ここで外したらなどと余分な懸念が否が応でも湧いてくる、本当に緊迫した場面だったと思います。ですから本人も言われていたように、結構、緊張していたのではないでしょうか。

でもそこはビッグマウスとも言われている本田選手、「真ん中に蹴って捕られたら、しゃあないな」という開き直りで、ここ一番の大きな場面に臨んだのです。結果は見事な、ど真ん中への胸のすくようなゴ-ルです。

このゴ-ルでさすがは本田だと、多くの人が思ったのではないでしょうか。出場を決めた後、翌日の選手全員の記者会見でもこの本田選手の独壇場でした。チ-ムメ-トの主だった選手の名前をわざわざ挙げながら、これからの課題なるものや、目指さなければいけないことを語っていました。

それだけ、このW杯にかける思いが人一倍強いのでしょう。それからただ出場するだけでなく、出たからには何とか勝って優勝したいと、本当に思っているのでしょう。その中で特に強く指摘していたのが、「個」を徹底的に伸ばし、磨き上げることです。

確かに今のチ-ム力のままでは、正直言って、とても優勝するレベルではないと、誰が見ても判断できるのではないでしょうか。この前のブルガリア戦にしたって、オ-ストラリアの試合でもそうですが、やはり決めるべきところでしっかりと決めるといった、決定力とゴ-ル前の執念と技術に欠けています。

それだけにビッグマウスと言われるかもしれませんが、やはり日本チ-ムの課題をしっかりと突いているのではないでしょうか。私たち観ている方の立場でも、W杯に出るからにはやはり日本に勝ってもらいたいものです。あと1年、日本チ-ムの更なる目覚ましい進化を期待しましょう。