会長の”三行日記”

2013.05.20

橋下発言の波紋 No.2394

 「戦時中、従軍慰安婦は必要だった」、また在日米軍に対しての「日本の風俗業を活用して欲しい」といった、一連の橋下徹大阪市長の発言が内外に大きな波紋を広げています。

まず従軍慰安婦についてですが、戦時中のことだからよく分かりませんが、いろいろな資料によると第二次世界大戦中、朝鮮半島、中国、フィリピン、インドネシア、オランダ等の女性が動員され、旧日本軍兵士によって旧日本兵の性的処理を押し付けられ、性的な凌辱を受けた、極めて恥ずべき制度であると記述されています。

ですから橋下さんが言うような、命をかけて戦場を駆けずり回る兵士にはそうした性的処理が必要だったということより、それ以前の制度そのものが全く認められないものであったという事実認識に欠けていたのではないでしょうか。

また女性たちは監禁され、性行為を強要され、拒絶すれば残酷な暴力がふるわれたとのことですから、女性蔑視だけでなく、人間としての尊厳まで大きく踏みにじられていたものです。

それを単なる性的処理のはけ口が必要だったと捉えられても仕方がない発言は、あまりにも浅薄で乱暴だったと言えるものです。また日本維新の会の共同代表という、公の地位に就いている人の発言としては品位に欠け相応しくなかったものではないでしょうか。

元々のそうした本音の持論が建前を飛び越して出てしまったのでしょうが、立場上、吐いてよい本音とそうでないものがあるはずです。確かに沖縄で再三起こっている、現地女性へのレイプ等の問題には、橋下さんの何とかしなければという気持ちは感じ取ることができます。

でももっと人々に説得力のある表現ができなかっただけに、このような大きな問題に発展してしまったのです。この結果、日本維新の会はみんなの党からもそっぽを向かれ、選挙協力を断ち切られました。

お陰でいい迷惑を蒙っているのが、同級生でもあり、今度の参議院選・静岡地方区から出馬することになっている、土田博和氏です。本人は決してそのような発言は、もちろんしているわけではないのですが、日本維新の会所属だけに、さも維新の会全部がそうであるかのように受け取られるかもしれません。

私も今までこうした選挙にはタッチしたこともなく、あまり好きでもありませんが、同級生だけに見てみぬふりもできません。脱原発もうたい、地元では昼夜を問わず患者を診てくれるという、評判の良い病院の理事長だけに、何とか既成勢力に大きな風穴を開けてもらいたいと願っています。