会長の”三行日記”

2013.03.01

ちょっと良い話part104 No.2353

ひさしぶりのちょっと良い話ですが、今朝の新聞に、「サッカ-のポジションは駐車場」という心温まる話を見つけました。こういった話は私は大好きですので、是非とも紹介させて下さい。

小学校からサッカーを始めプロ選手になりましたが、何と言ってもつらかったのは中学校の部活時代です。サッカーの名門校で夏休みは朝から晩までボール拾い。しかも、ポジションはグラウンドの中にはなく駐車場の担当でした。

日曜日は先生たちの車をボールから守るために下級生といっしょに立たされました。つらくて何度もやめようと思いましたが、やめられない理由がありました。それは「頑張ってね」とだけ言って、お弁当を作ってくれる母親がいたためです。

その一言を励みに必死に努力し、ついに試合に出られる日が来ました。ただ、母親にはこれまでのこともあり、言えませんでした。当然、母親は来なかったのですが、試合には勝ちました。

昼にお弁当を食べようとふたを開けてみると、何と赤飯に一言だけ「おめでとう!」と書いてありました。母親はすべてを知っていたのです。その日のお弁当は、涙でしょっぱかったことを忘れられません。

このように自分の子どものことは全てお見通しなのですね。奈良時代の歌人である山上憶良が「銀(しろがね)も金(こがね)も何せんに、まされる宝、子に及(し)かめやも」と詠んだ歌があります。金や銀の財宝があろうとも、可愛い我が子にまさる宝が他にあろうはずがないとの意味ですが、まさにその通りですね。

辛くてやめてしまうのはいとも簡単ですが、このように必ず自分を温かく見守ってくれる人がいると思えば、軽はずみのことはできないはずです。また朝の来ない夜はないとも言われ、嫌なことや苦しいことばかりは続きません。

ですから何かあってもそれから逃げ出すことなく、お互い前向きに生きたいものです。自分の誕生月でもある、寒さの厳しかった2月も昨日で終わり、今日からはいよいよ春の到来を告げる3月です。天声人語にも「幼い春に、老いる冬が少しずつ道をあけていく」と記載されていました。待ち望んだ、心も体も温まる季節の到来を楽しみたいものです。