会長の”三行日記”

2013.02.27

差別化戦略 No.2351

ゲ-ム感覚で買い物ができると評判になり、業績を伸ばしているお店があると新聞に紹介されていました。青森県八戸市の中古衣料品店ですが、1号店を開いてからわずか8年で全国約60店舗のチェ-ンにまで展開を図っています。

その仕組みは極めてユニ-クなものです。このお店ではトレ-ナ-やニットの衣服などの商品に値札がついていません。その値札の代わりについているのは、いちごだとか、かぼちゃといった果物や野菜の絵なのです。

そして店内に、いちご7350円、ぶどう5250円、かぼちゃ4200円という一覧表が、店内に貼り出されているのです。それは10段階あって一番安いものが105円というもので、毎週水曜日になると値段が貼り替えられると言います。

すなわち翌週はいちご5250円、ぶどう4200円、翌々週はいちご4200円等と、毎週値下げされていくのです。これがドキドキ感をお客に生むというのです。ある商品を買いたいなと思ったとき、翌週まで待てば安くなることは分かっています。でもその前に誰かに買われてしまうことがあるのです。

従ってどうしても欲しい商品など、焦って買ってしまうことがあるわけです。またこうしたやり方はいちいち値札を取り替えなくてもよい、店舗運営の効率化にも繋がっているのです。中古商品などの場合、売れなければ値下げして、お客に飽きられないような入れ替えが必要なのですが、これなら手間が掛かりません。

また最安値の105円でも売れなかったら、東南アジアなどへ輸出されると言います。一方買い取りのほうも効率を重視しているとのことで、一部を除き、重さに応じて機械的に買い取り価格を決めているそうです。

このお店の経営者は「ゲ-ム感覚で買い物を楽しんでもらい、中古衣料品店の持つ暗いイメ-ジを変えたかった」と話しています。ヒントは中古本販売大手のブックオフにあったみたいです。ブックオフは綺麗かどうかで買い取り価格を決め、元の値段の半額で売るのが原則です。

また本に貼るシ-ルの色で店に置いてある期間が分かると言います。こうしたあまり手間の掛からない、効率を重視したやり方なら経験の浅い店員にも任せられるわけです。やはり仕組みづくりが大切ですね。

23~24日の2日間、裾野の帝人教育研修所で、今年も経営指針の創る会の卒業式に出席し、スタッフとしてお手伝いをしてきましたが、ここでも受講生からいろいろと発表があったとおり、環境が激変している今の時代、上記のような他社と差別化された戦略がいっそう求められていることを実感しています。