会長の”三行日記”

2012.12.04

インクの適正価格 No.2324

早いもので、もう師走の時期になってしまいました。毎年思うことですが、なぜか12月に入ると気ぜわしくなるものです。お正月なるものがなければ、ただの1ヶ月に過ぎないのですが、まあ日本独特の暮れからお正月への、何とも言えない華やかな転換ですから仕方がないかもしれません。
 
そしてこの時期になると早く準備をしなければと思うのが、毎年の年賀状です。いつもそう思いながらギリギリになって、あたふたしてしまうのが慣例です。
 
この年賀状に付きものがインクジェットのプリンタ-なのですが、なぜかインクの値段の高さが気になる時期でもあるわけです。そのインクについて今朝の新聞では触れていました。
 
最近ではプリンタ-もずいぶん安くなり、1万円を切るものも少なくありません。でもそれと引き換え、使用するカ-トリッジのインクが滅茶苦茶高いのです。
 
極端なケ-スではプリンタ-とインクが同価格というものまで出てくる始末です。5~6色のカ-トリッジで5千円ぐらいするのですが、プリンタ-の安さに比べ、明らかにおかしいと思えるのです。
 
新聞の記述によると、それはメ-カ-の販売戦略だというのです。ずばり国内最大手のセイコ-エプソンに尋ねたところ、「消耗品のインクカートリッジで利益を出すことで、プリンター本体の価格を抑えるビジネスモデルだからです」と答えていました。
 
プリンタ-には必ず付きもののインクで稼ぐわけです。そしてセットで3000円台と安い非純正品も売られていますが、メ-カ-はそれを防ぐため、インクにICチップを入れ、それでなければ作動しなくなることまでやっているのです。
 
でもこうした戦略は日本国内のみで、新興国などでの販売は「ビッグタンク型」と呼ばれる、インクが大きくて安いものになっているそうです。その分、プリンタ-そのものの価格を3倍ぐらい高くして、ICチップなどの細工も施されてはいません。
 
あまりインクの需要がないからかもしれませんが、日本と同じようなものを売ってもタンクを使えるように改造してしまう業者が横行しているからだと言われています。
 
とにかく、この時期になると普段よりずっとインクの消耗が激しくなるゆえ、いくら販売戦略とはいえ、もう少しプリンタ-とインクとの価格差を考えてもらいたいものです。あまりえげつない真似をしていると、そのうち消費者から思いがけないしっぺ返しを喰らうかもしれません。