会長の”三行日記”

2012.09.27

安倍新総裁誕生 No.2284

自民党総裁選で安倍元首相が選出されました。石破さんとの決選投票の末、勝ち取ったわけですが、2006~2007年の在任から5年ぶりに総裁の座に返り咲いたことになります。
 
自民党ではこの総裁経験者が返り咲くことは初めてのことだと言われています。思い起こせば安倍さんの首相辞任は突然のことでもありました。持病の潰瘍性大腸炎という難病で、体調を崩して辞めたわけです。
 
この潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気で、出血を伴う下痢や腹痛、発熱が特徴となっていて再発を繰り返すことが多く、投薬で症状をコントロールしなければいけない厄介なものです。
 
こんなものを抱えていて果たして大丈夫かなと懸念されるものですが、本人は「完治している。良い薬ができたから心配ない」と言い放っています。
 
それでもテレビに出ていた夫人の昭恵さんのコメントは賢いですね。「全く心配ないと言ったら嘘になりますね。薬を飲んでいるわけですから完治とは言えないでしょう」と。
 
そんなわけでこの先、何やかんやと言っていても自民党が政権を取り返すでしょうから、総裁イコ-ル首相となるわけで、激務によるストレスからの再発が気になるところです。
 
それにしても党内派閥の解消を訴えた石破さんが、議員票の決選投票で敗れたわけですから、自民党の体質は何も変わらないというものです。相変わらず派閥による数の大小で、力関係が左右されているわけです。
 
そんな中をあっちこっちに良い顔をしながら、うまく票を取りまとめようとした石原さんが1回目の議員選挙で最高票を獲得したのですから、旧態依然としたものが何も抜けていないと言ってよいのでしょう。
 
私はこの石原さんが選ばれなくて本当に良かったと思っています。前総裁の谷垣さんに引導を渡したような自身の出馬は、果たして一番の執行部要職に就いていた幹事長のやることでしょうか。そういった意味でも新総裁に選ばれた安倍さんがまず谷垣さんに敬意を表したのは見事でした。
 
この石原さんを現世の明智光秀などと呼ばれていますが、織田信長にしっかりと仕えながら最後まで信義を得ることができず、苦渋の選択をした明智光秀の方がそう呼ばれて迷惑というものです。
 
親父の実行力と違い、ただ文句を言うだけのお坊ちゃまではこの国は変えることができません。強行タカ派の安倍さんの中国や韓国との外交がいまいち気になるところですが、経済をまず立て直してもらわなければなりません。
 
そしてその間には石破さんなどの新たな党内革新勢力が育ってくるでしょう。とにかく自民党は好きでありませんが、どこに行こうとしているか定かでないこの国の進路を、しっかりと立て直してもらいたいものです。