会長の”三行日記”

2012.04.19

わが母の記 No.2198

原田眞人監督が撮った「わが母の記」の映画が、この4月28日に一般公開となります。彼が高校の同級生でもあることから、この映画を支援する会にメンバ-として名を連ねているわけですが、公開が近づくにつれ、皆さんの評価が少し気になってくるところです。
 
映画公開に先駆け、こうした関係から既に2回、試写会を観させていただいていますが、モントリオ-ル世界映画祭審査員特別グランプリを受賞しているだけあって、地元の沼津、伊豆をロケ地として撮った映像はさすがに綺麗なものです。
 
伊豆・天城のワサビ田や、地元沼津の牛伏海岸、御用邸記念公園などが随所に出てきて、綺麗に描かれています。こうしたところから、この支援する会ではロケ地をめぐる旅と称して、パンフレットまで作ったくらいです。
 
映画は原作者である、やはり地元の作家・井上靖さんの自伝的な小説を基に作られているわけですが、その幼少期、兄妹の中でひとりだけ両親と離れて育てられたことから、母に捨てられたと思い続けてきた主人公が、老いていく母との触れ合いの中で新たな発見を見つける物語です。
 
どんどん失われていく母の記憶の中で、唯一消されることのなかった、息子をずっと想い続けていた、あるシ-ンが感動的です。母に樹木希林さん、そして主人公の作家に役所広司さんという豪華キャストがこの映画を支えてくれているわけです。
 
また配給元である松竹はこの映画にずいぶんと力を入れてくれています。テレビのCMでも、最近結構見掛けることが多くなっているものです。支援する会でも、担当プロデユ-サ-の話では、会社としてはヒットしたおくりびと以上に力を入れるとのことです。
 
ですから、こちらの予想以上にヒットしてくれるかもしれません。また同じ映画を2回も観ると、1回目では気がつかなかった部分まで見えてくるものです。正直、最初より2回目の方が私は良い映画だと思いました。
 
とにかく芸達者な樹木さんが凄く目立つ映画に仕上がっていますが、何よりもヒットすることを願いたいものです。誰でも必ず訪れる老いと、認知ということを扱っているだけに、自分自身に当てはめてみて、今一度、家族の愛というものを見直す、良い機会かもしれません。