会長の”三行日記”

2012.03.21

立場の違い No.2178

私たち日本人にとっては、とっても良い結果が出た昨日の大リ-グオ-プン戦でした。今をときめくダルビッシュ投手の3回目の登板となった対ブルワーズ戦の話です。
 
というのも、このダルビッシュ投手が4回投げ、打たれたヒットがたった1本、これがタイムリ-となり唯一の失点に繋がってしまったのですが、打たれた打者が今シ-ズンからブルワ-ズ入りした、ヤクルトにいた青木宣親選手だったのです。
 
ここまでなかなか結果の出なかった青木選手だったのですが、1打席目のこのタイムリ-に気を好くしてか、3打数3安打3打点1盗塁の大活躍でした。
 
映像でも少し写されていましたが、タイムリ-を打った回の終了時、引き上げるダルビッシュ投手が青木選手に「打たないでくださいよ」と話しかけたそうです。
 
これに青木選手は「僕の方が立場は危うい。生き残りに必死なんだよ」と答えたとおり、まさに執念の一打だったのでしょう。何しろ破格の契約金や年俸で大リ-グ入りしたダルビッシュ投手に比べ、不遇とも言える待遇なのです。
 
年俸はヤクルト時代の1/4に減った7700万円、しかも過日も触れたとおり、日本で何度も首位打者をとり、年間200安打を2回も達成した実績があるのに、テストでの入団だったのです。
 
ですから本人が言われたとおり、レギュラ-の保証が何もないから、このオープン戦で結果を残さなければ出場も危ぶまれているのです。
 
またこの試合までの打率は1割台で苦しんでいました。でも必ず打てる時が来ると信じ、早朝の打撃練習や、自宅に帰ってからも近くの公園で素振りを毎日欠かさず、メジャーに適応する打撃フォームを追求していたそうです。
 
こうした成果が少しずつ現われてきたのでしょう。元々仲の良い二人と聞きます。でも入札額40億円以上で鳴り物入りのダルビッシュ投手に比べ、その1/20にも満たない1億9500万円と、立場が大きく違っている青木選手にはそれなりの意地があることでしょう。
 
是非これをきっかけとしてレギュラ-を獲得し、青木ここにありというところを見せてもらいたいものです。とにかくダルビッシュ投手もそこそこの結果を出し、青木選手が浮上のチャンスとなった、この試合は私たち日本のファンにとっては最高の結果だったのではないでしょうか。