会長の”三行日記”

2012.02.16

人の値打ちは行為できまる No.2158

釈尊の「四人の妻」という話を読みました。人間の値打ちはその行為で決まるというもので、以下紹介いたします。
 
ある金持ちの商人は四人の妻を持っていました。羨ましいなんて思ってはいけません。

第一の妻は、とても可愛くて利口でいつもそばにいないと安心できませんでした。

第二の妻は、美人で人と争って取った妻でした。

第三の妻は、互いに自由に話し合い、慰めあう間柄でありました。

第四の妻は、夫のためにただ汚れて働き続け女中同様の存在でした。

この商人が遠い旅(死出の旅)に出ることになり、それぞれの妻に同行を頼みますと、第一の妻は即座に、「とんでもない」と断わりました。

第二の妻は、あなたが好きで勝手に人と争って妻にしたのですから、せめて村はずれまで送ってあげましょうと断わりました。

第三の妻は、「そうですね、線香とお花位はあげてあげますよ」と答えました。第四の妻は、喜んでついて行くといいました。

旅人とはあなた自身のことなのです。第一の妻とは、肉体のことで一番いとおしいもので、死ぬ時はおいていかなくてはなりません。

第二の妻とは、財産とか地位のことで、人と争って得たものです。第三の妻とは、親族のことです。共に泣いて、線香を上げてくれても棺桶の中までの同行は無理のようです。

第四の妻とは”業(あなたの行為)”のことです。あなたの行為は、すべてあなたの心で決め行動したことです。これが最後の荷物ということなのです。

 
人は死んで、その肉体や財産・地位、そして親族も全て失うことになるのですが、その人の積み重ねた行為だけはいつまでも消えることなく、残されていくということです。
 
ですからお金や地位、名誉ではないのですね。善行は後世まで永遠に語り継がれることでしょう。また反対に悪行は死んでも消えることがないのですね。そう考えると怖い話で、お金や名誉はなくても、せめて他人から後ろ指を指されない生き方をしたいものです。