会長の”三行日記”

2012.01.12

自分らしく No.2134

今朝は今年一番の冷え込みだと言われているとおり、富士山の手前に位置する愛鷹山までうっすらと雪に覆われています。また昨夜、久しぶりのお湿りとなった雨の影響で、外に出してあった車は全面、凍り付いて、お湯の出番がなくては始動できなかったくらいです。
 
このとおり、いよいよ冬本番なのですね。温かい我が地域がこんな状況ですから、被災地の北国・東北ではさぞかし大変なことでしょう。いち早い復興と、一日でも早い春の訪れが望まれるものです。
 
さて昨日、一昨日と新年の年始回りを済ませ、いよいよ今日からは本格的な実業開始です。と言っても、もう実質は例年になく、おとそ気分も早々に抜け仕事モ-ドに変換でき、まずは出足順調というところですが、何とかこの調子で進めたらと願っています。
 
あるメルマガに「自分らしく自分の道を進め!」と載っていました。山本周五郎さんの作品で「武道無門」という本があるそうですが、気が小さく皆から「臆病者」呼ばわりされている青年の物語です。以下その大体のあらすじです。
 
主人公は宮部小弥太。28歳の青年武士だが、武士というのは形だけ。度胸がなく、他人のけんかを見るだけで体中が震えるというほどの臆病者だった。

自分から戦いを挑んだり、責任ある立場についたりすることを避け、いつも逃げ回ってばかり。そんな自分の性格を変えたいと思い、いろいろ努力をしたが結局あきらめることになる。自分はいまのままでいい。自虐的に思い込んでいた。

しかし、そんな彼がある時、主君に抜擢される。主君自らが服装を変え、隣国の難攻不落の巨城を偵察に行くことに。その随行の2人のなかに小弥太が選ばれたのである。

"なぜ自分のような者が、そんな大事な役目を命じられるのか"――小弥太青年はとまどった。もちろん、断わるわけにはいかない。言われた通り、彼も商人に扮して、隣国へのお供をすることになった。

自分らしくいこう。自分らしくいけばいいんだ。道中、小弥太は、そわそわと落ち着かずおかしな行動を繰り返した。時々消えていなくなり、いつのまにか戻ってくる。隣国の城下町に入ってもその行動は続いた。そうこうしているうちに、3人は巨城に着いた。しかし偵察をしているところを見つかってしまう。

「怪しい奴」とばかりに取り囲まれ、ついに追いつめられてしまう。万事休す、となったそのとき、小弥太が「自分がご案内をいたします」と言うなり、駆け出した。 

小道から小道へ、路地から路地へ、抜けていった。そして1軒の店に入り、3頭の馬を牽いて出てきた。「早く、殿、早くこの馬に!」。 3人は馬に乗り、無事に逃げおおせることができた。

彼は万一の場合に備えて、逃げ道、抜け道をそっと調べ、馬の手配までしていた。自信にあふれた豪勇の人間であれば、前に進み、攻めることしか考えないかもしれない。 人一倍、慎重な彼だからこそ、そこまで細かく心を砕き準備することができたのである。

 
メルマガの筆者は上記の物語に示されるとおり、人間には多くの道があり、生き方があると説いています。それは会社という組織のなかにおいても同じで、他人と比較するだけでは社会の奴隷となってしまい、自分しか歩めぬ道を堂々と進むことこそ必要だと言われています。
 
要はあくまでも自分らしく、自分の生き方を貫きなさいということだと思います。また他人と比較するのではなく、昨日の自分との比較こそ大切だと指摘しています。十分考えさせられ、かなり説得力のある言葉ではないでしょうか。