会長の”三行日記”

2011.12.15

野田政権の問われる真価 No.2125

今週の月、火、水と3日間、忙しい仕事でバタバタしていましたので、カキコミができず失礼いたしました。やはり年末はいろいろと立て込み、気忙しくなるものです。
 
恒例の今年を占う漢字1文字が発表されました。いろいろなことがあった本年、私の予想したとおり「絆」で決まりました。とても良い言葉ではないかと思っています。
 
この不幸な震災を契機として、「」を深め、もう一回本来の日本人の持つ、お互いの思いやりや優しさという人間性を見直すチャンスでもあるように思えます。
 
また、この漢字の発表がなぜ清水寺なのかということも、テレビで伝えていました。以前その講演をお聴きしたことがありますが、貫主の森清範さんが達筆ということからのようです。
 
さて月に1回送られてくる時流レポートにこんなことが書かれていました。野田内閣が誕生して3ヶ月、国民の幻滅と怒りを買った鳩山・菅前政権と違って、少し期待が持てるのではないかと思っていましたが、案外期待外れに終わっているというのです。
 
それはなぜかというと、こうありたいと思ってていても、そこに到達する手段とか根回しがないという理由からです。TPPや消費税にしたって、日本の将来的なことを考えれば、やはりその方向性は間違ってはいないと言うのです。
 
ただ、やるべきこととやれるかは違うと指摘していました。まず目標をポンポン言ったり、それも突然に、しかも外国で言ったりするのは、私たちが感じているとおりいろいろと問題が多いのです。
 
TPPの問題にしても、日米首脳会談後のアメリカ側発表では、野田首相から全ての品目とサ-ビス分野について、その交渉の場に乗せるという発言があったというのに対し、そんなことは一言も言っていないと、全く食い違っています。
 
たぶん多少のリップサ-ビスがあったのを、そのように捉えられたのではないでしょうか。とにかく毅然とした姿勢が求められるものです。このTPPでアメリカから突きつけられると思われる、3つの大きな問題があると触れていましたので紹介しておきます。
 
第1に牛肉です。BSEの関係から日本は生後20ヶ月以下でないと輸入はしていませんが、他国は30ケ月です。それをいつまでも突っ張っていないで、そろそろ緩和しろという要求です。
 
それから第2に、保険の問題です。アメリカは農産物と金融ぐらいしか武器が残っていないという指摘です。簡保が80兆円、農業共済の契約高は44兆円、この乗っ取りを狙っているというのです。
 
もう1つは自動車です。日本の自動車規制が多いから米車が売れないという、アメリカの見方です。自動車重量税の40%、同取得税の70%が交付金として地方に行っているということですが、このあたりが狙われそうだという指摘です。
 
とにかく、いろいろと突きつけてくる無理難題が多いものと思われます。お隣の国、韓国もFTAを米と結び、ISD(投資家対国家紛争)という、投資家の利益を国家の政策に対して保護する条項を押し付けられたそうです。
 
それだけに軽々しく協定の場に乗ると、日本はえらい目に遭わないとも限りません。またこのTPPに関しては改めて取り上げたいと思っていますが、我が国の首相、TPPと消費税という大きな難題に、少しでもその舵取りを間違うことができないものです。