社長の三行日記

2011.11.30

宿坊 No.2118

沖縄防衛局長が不適切な発言で更迭されました。いくら酒の席とはいえ、相手はジャ-ナリストとの懇談ゆえ、そんなことを語れば問題になるのが分かりそうなものですが...。これで普天間基地移設交渉が益々難しくなるような気がします。ちょっとデリカシ-が無さすぎますね。
 
さて11月も今日で終わり、明日からはいよいよ師走です。毎年のことながら1年経つのが本当に早いものですが、12月になった途端、気忙しくなるから不思議なものです。
 
そして今年は例年より少し暖かい日々が続いているように思えますが、もう少し余裕が出てきたらこんな旅がしてみたいものだという、お寺に泊まる「宿坊」の旅が紹介されていましたので触れてみます。
 
宿坊はびっくり箱と言っている方がいるほど、その魅力は少なくないようです。座禅などの体験や精進料理、そして普段は入れない国宝級の建物や庭園が見られるところもあるそうです。
 
人知れず静寂の空間で、月に照らされた廊下や早朝の清々しい庭に佇む自分の姿を想像するだけで、何とも言えない心地よい思いがしてくるものです。
 
その選ぶコツは何をしたいかテ-マを定めることだと言われます。写経や座禅、またご本尊に唱えるお経の解説をしてくれる所もあれば、滝に打たれたり、尼僧体験など女性専用の所もあると言われます。
 
料金は1泊朝食つきで4000円台から、2食で1万円ちょっとのものがほとんどとのことですが、ホテル形式もあるそうです。その1つ、精進料理がおいしいとの評判がある京都・浄蓮華院を紹介していました。
 
三千院から少し坂を上がったところにあっても、観光客で賑わう三千院とは打って変わった静けさに包まれていて、聞こえるのは鳥のさえずりや川のせせらぎなど自然の音だけだそうです。
 
翌朝、庭の鐘もつかせてもらい、朝のお勤めで一緒に般若心経を唱えたとのことですが、煩悩を洗い流すような、味わい深い心地よさがあったと言われます。
 
しばし俗界から離れ、こうした空間に包まれるのも、なかなかできないだけにあこがれますね。写経などもやってみたいと思うようになったのは、枯れてきた年代に突入したためでしょうか。でも是非実現したいものです。

2011.11.29

ちょっと良い話part85 No.2117

「決意の日」父さんへという、新聞に載っていた恋文大賞の大賞作品です。
 
「父さん、恥ずかしいから参観日に来ないで!」小学校最後の父親参観を拒んだときの、父さんの悲しそうな顔は、十年経った今でもぼくの脳裏に焼き付いています。

ぼくは塗装職人の父さんを恥ずかしいと思っていました。ペンキだらけの服に、ガサガサの手、シンナ-くさい車。そのすべてが大嫌いでした。

ぼくが風邪をひいても、母さんと二人で現場に出て、朝早くから夜遅くまで、休みもなく働き続け、おまけに冬は出稼ぎで本州に行く。ぼくは寂しくて、父さんと母さんの苦労も知らず、自分勝手に反抗していました。

自分のいたらなさを親のせいにして、家出もしました。あの日、「もう家には帰らねえ!」と睨み付けたぼくに、「ちゃんと飯食ってるのか。風邪ひいてないか」と、父さんは笑顔でした。

殴られると思っていたぼくは拍子抜け。こぶしのやり場に困りました。父さんがすい臓がんで余命1ヶ月と告知された日も、ぼくは家に帰らず、遊び歩いていました。

父さん、ごめんなさい。なぜ反抗したのか、自分でも理由がわかりません。父さん、会いたいです。話したいことがたくさんあります。孝行したいときに親はなし、と言いますが身に沁みます。

高校の卒業式に、父さんからもらった三行の手紙は、ぼくの宝物です。「卒業おめでとう。父さんはペンキ屋の仕事に誇りを持っている。命を懸けている。千ヒロもそんな仕事に巡り会ってほしい。職業に貴賎なしだよ」

父さん、ありがとう。ぼくは薬剤師を目指して薬科大学に行きましたが、どうしても父さんの跡を継ぎたくて、大学をやめる決意をしました。

父さんが死んでからは、母さんの仕事も激減し、抜け殻のようになっています。今日は父さんの命日です。ぼくの決意が正しいかどうかはわかりませんが、明日から母さんと一緒に現場に出ます。

父さんの分まで、母さんに孝行するつもりです。  父の志を 受け継ぐ心 実直に

 
まさに孝行したいときには親はなしという、ことわざどおりですね。私もいじけていた時代がないわけではありませんが、夜遅くまで黙々と働いているオヤジの背中を眺めて、自分が情けなくて涙が出てきたことがあります。
 
言われるとおり職業に貴賎はないわけで、凛とした親の背中に教えられることは少なくないものです。

2011.11.28

ユニクロの新たな戦略 No.2116

大阪秋の陣とも言われた大阪府知事・市長ダブル選挙は、橋下さんや松井さんの維新の会が圧勝しました。天声人語にも書かれていましたが、政策論争というよりは、橋下さん本人の好き嫌いを問われた選挙のようにも見えましたが、これで無駄な二重行政などが省かれていくのでしょうか。
 
さてユニクロで知られるファーストリテイリング社が、またまた新たな試みを始めました。つい先日も61周年とかいって、創業感謝祭のセ-ルをやっていたようですが、この会社、結構ユニ-クなことを考えるものです。
 
その新しい試みとは、来年にも現在の大学新卒の一括採用方式を見直し、その採用時期を現在の年1回から通年として、選考する学年も問わないということです。
 
つまり大学3年から4年に掛けて就活するのが一般的なのですが、1年生のときから採用試験を受けることができる、従来の慣行にとらわれない方式を採用するというのです。
 
この理由を同社・柳井社長は「一括採用だと、同じような人ばかりになる。1年生の時からどういう仕事をするか考えて、早く決められる方がいい」と話しています。
 
そして1年生のときに採用が決まれば、在学中各店舗でアルバイトをしながら仕事を覚え、卒業と同時に店長として就任するコ-スも描かれると言います。
 
まさに企業側だけでなく、学生にとっても余裕を持って学生生活を送られる、一石二鳥のアイディアのような気がします。先日の静大連携高座でも、大学生を相手にこの就活と留学という点についても、少し話をさせてもらいました。
 
最近は少しその時期を遅らせているようですが、今までは3年生のときからこの就職活動に追い回されることから、本来の大学生活が阻害されるのではないかという懸念からです。
 
またそんなこともあり、日本を飛び出して外側から眺めてみるという、留学などにチャレンジする学生が減る傾向にあります。ユニクロのような採用をする企業が増えれば、1年生のときから通年で4年間就活が可能となるわけですから、余裕を持って挑むことができ、こうした問題解決も図れるというものです。
 
まさに既成の枠から外れて生まれた、発想の転換ではないでしょうか。やはり差別化された企業は違います。一事が万事とも言われますが、横並びではない、こうした取り組みや発想からも現在のユニークな製品が生まれるのでしょう。
 
ただ、先日の創業謝恩セ-ルについては、60年という区切りの年ではなく、確か61周年だったと思われるだけに、少し昨年の同企画に味を占め、2匹目のどじょうを狙った営業戦略のような気がします。
 
まあ、柳井社長のみならず、企業としても東北被災地への協力支援が少なくないだけに、野暮なことはあまり言わないでおきます。とにかく、絶えず新しい発想を求め、展開を図っている企業には違いないものです。

2011.11.25

天才・談志さんの死 No.2115

立川談志さんが亡くなりました。人は亡くなってからその真価が問われると言いますが、天才・談志さんの凄さを改めて知らされています。
 
昨年11月に喉頭がんが再発、医師からは声帯を取ってほしいと言われたのにもかかわらず、断固拒否し、今年3月まで高座に上がっていたとのことです。
 
結果的にはそれが命を縮めることに繋がってしまったわけですが、噺家としての喋る仕事や、まして談志さんのことですから人一倍そのプライドが高かったのでしょう。
 
また入院中、体の衰弱で介護が必要となっていたということですが、そんな姿を弟子には見せられないと、臨終に至るまで弟子たちの見舞いを断わっていたと言います。談志さんらしい引き際です。
 
人気番組・笑点の初代司会者でもあり、現在まで延々と続いている番組を生み出したスタッフの一人とも言われています。また今では落語をテレビで扱っている唯一の長寿番組ですから、誰よりも落語を愛していて先見性にも優れていたのでしょう。
 
早くから真打ちに精進し、その頭の回転の速さもあって、歯に衣を着せない毒舌や破天荒で反逆児的な生き方で知られていますが、実際の素顔はここまで気を使うのかというくらい、他人に対しては優しい配慮のあった人とも言われています。
 
それが、亡くなってから思いの他、多くの人たちより寄せられる惜しむ声に繋がっているのでしょう。特に最後の最後では、家族を大切にした、とても深い愛が感じられたものです。また落語界のタブ-にも触れた、ベストセラ-「現代落語論」は落語をめざす若者たちの必読書にもなっています。
 
そして有名な古典落語、酒飲みの夫を妻が立ち直らせる人情ばなし「芝浜」などは絶品とも言われていますが、切れ味鋭い社会風刺や時の政治への怒りなどは本当に聞いていて私たちをスカッとさせてくれたものです。
 
それから生前、自分で決めていたという戒名が、最後まで受け狙いで私たちを笑わせてくれます。立川雲黒斎家元勝手居士(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)という名です。
 
このような天才を失ってみて改めて、落語の奥の深さや面白みを知らされるわけですが、落語とは人間の業(ごう)の肯定と言っていた談志さん、まだまだその名人芸をじっくりと聴かせてもらいたかったものです。あの世でもまた憎まれ口を叩いているかもしれませんが、談志師匠の安らかなご冥福をお祈りします。

2011.11.24

力の差 No.2114

一昨日の晩、この29日で満88歳を迎える父の米寿の祝いを、御殿場・時之栖ホテルで行いました。ささやかに内輪だけで、私たち夫婦と子どもたち、そして弟たち夫婦の総勢9人で行ったものですが、祝ってもらえる父親以上に、皆がこうして仲良く元気に集まることのできる喜びを自分もかみ締めたものです。
 
時之栖のある御殿場高原ビ-ルの地は、ちょうど光のイルミネ-ショントンネルが開通したばかりで、祭日の前夜ともあって、多くの人でごった返していました。写真を撮り忘れてしまい、お見せすることができませんが、やはり手が掛かっているだけに綺麗なものです。
 
ささやかなご馳走と様々な温泉をしばし堪能し、泊まってきた翌日は母校・沼津東高と静岡高の定期戦がこちらのグランドで開催されました。
 
今年の秋季大会、東部大会予選の1回戦で敗れたものの、その後、敗者復活で5試合も勝ち上がり、見事県大会出場を果たした我が方と、県大会3位で東海4県大会まで進んだ相手方との力の差がどのくらいか、前々から興味を持って待ち望んでいた試合でもありました。
 
静高投手は地元・沼津から引き抜かれていった、ある代議士の子息でもある左腕投手です。もちろん、私もこの目で眺めるのも初めてだったのですが、少しコントロ-ルが不安定でしたが、やはり噂どおりのピッチングをしていました。
 
残念ながらこの投手と、6回からリリ-フした1年生の右腕投手に対し、我が方は全く手も足も出ないような状態だったのです。リリ-フ投手も上背のある長身から繰り出す球は、1年生とは思えないような力のあるもので、層の厚さを感じさせられるものでした。
 
一方相手打線の方はと言うと、どうやら主力3人を欠いていたらしいのですが、それでもオ-バ-フェンスの本塁打2本を含む12得点を挙げていました。2塁ベ-スすら踏めないこちらに対し、毎回のように塁上を埋めていた攻撃は、否応なく歴然とした力の差を見せつけられたものです。
 
相手投手の腰から下を眺めると、それこそユニフォ-ムがはちきれんばかりの、がっちりとした、見るからに安定性のある体型です。我が方との違いはどこにあるのでしょうか。OBの一人が言っていました。
 
あの体が作られるのは、よく食べて、そしてトレ-ニングでよく鍛え、なお且つ十分眠ることにあるそうです。そうすると、静高のように野球に専念出来るだけの環境にいればよいでしょうが、聞くところによると、我が方の選手は練習の終わった後、コンビニで慌てて何か腹に詰め込んで、それから塾通いとのことです。
 
これではとてもそんな体など、できっこありません。そうなると、物理的にこちらが高望みすることが無理なのでしょうか。でも何とか工夫して、我が校なりの効率の上がる練習を編み出してもらいたいものです。
 
今日からはグランドのバックネット改修工事が始まり、来年の1月いっぱいぐらいまで、満足のいくようにグランドは使えなくなります。それだけにこれから冬季にかけて、十分走りこんで下半身を鍛え、春には見違えるような体になることを願っています。
 
とにかく歴然としたその力の差を見せつけられましたが、打倒静高も取り組み次第では夢でありません。母校の更なる精進と一層の健闘を何よりも願うものです。

2011.11.22

いい夫婦の日 No.2113

今日、11月22日は”いい夫婦の日”です。この日は日頃、空気のような存在とも呼ばれている、良き伴侶を改めて見直そうとの意味もあるようです。顧問先の会計事務所からいただく、会報にも載っていましたので紹介します。
 
あの松下幸之助さんは代理店契約を結ぶ時に、夫婦仲が良いことを条件にしていたそうです。夫婦仲が好いということはお互いが幸せであるだけでなく、周りからも信用され、仕事をする上でも、どうもプラスに働くようです。
 
まずこの日に因んでとったアンケ-ト結果によると、夫婦円満かの質問には約8割の人たちが円満と答えています。その円満の秘訣の最上位に挙がったのは、話をする・聞くという会話にあり、コミュニケ-ションが何よりも大事みたいです。
 
その会話も平日より休日のほうが、時間的に1~2割増えるとの結果が出ていましたが、私自身の胸に手を当ててみると、お天気がよければソフトボ-ルの試合などに出て行き、終われば終わったで飲み会へと流れています。
 
こうした全くもって自分勝手な休日を送っている自分自身にとっては、耳の痛い話で大いに反省しなければなりません。
 
また最も愛情を感ずる言葉は「ありがとう」とか「おいしい」という、感謝の言葉だと言われています。ですが私も思っていながら、なかなか言葉に出して口から出ません。
 
やはりこれがいけないみたいですね。勝手に阿吽の呼吸で、永年連れ添っているから、こちらの考えていることくらい伝わっているだろうと思っていても、相手には少しも通じていないのです。
 
また多少のテレがあるのかもしれません。自分たち夫婦の間で何を今さらとか、気恥ずかしい気持ちを超えなければいけないのでしょう。

ただ、ここ3~4年、結婚記念日には知り合いのプロに頼んで、写真のようなフラワ-ギフトだけは贈るように心がけています。

 
ですがそうした品物より、やはり日頃の感謝の気持ちを言葉に出して、伝えるのが何よりも一番なのでしょう。私にとっての”いい夫婦の日”は、また日頃の罪滅ぼしの日にもなるわけです。「仲良きことは美しきかな」ですね。

2011.11.21

幸せを求める国 No.2112

日本シリ-ズは7戦までもつれ込みましたが、ソフトバンクが日本一を勝ち取りました。中日は落合監督の有終の美を飾れませんでしたが、接戦で白熱した日本シリ-ズではなかったでしょうか。やはり野球は投手力が鍵を占めるものと知らされたシリ-ズでもありました。
 
さて今朝の天声人語でも触れていましたが、若きブ-タン国王夫妻の来日がこんなにも私たちを癒してもらえるものとは思いもしませんでした。
 
ワンチェク国王というのでしょうか、31歳で先日結婚したばかりですが、21歳の美しい王妃を伴い、新婚旅行を兼ねて我が国を訪れました。
 
その国・ブ-タンは九州より少し広い面積を持つとのことですが、国民の90%以上が幸せを感じているという、GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)をめざしているという国です。
 
また国民の多くは熱心なチベット仏教の信者であり、山間の農業国ですが、水力発電による電力の輸出を収入の柱としている小国です。
 
この国民の幸福を第1に考えた理想の国・桃源郷をめざしてはいるものの、民主化など抱える問題も少なくないと言います。それでも日本との国交を結んでから25年、日本は最大の援助国にもなっていることから、親日感情も強く、先の大震災には真っ先に国を挙げて温かい手を差し伸べたとも言われています。
 
この小国からいらしたお二人が、日本の各地で熱烈大歓迎を受けたというのは、やはり素朴でつつましく優しい人間性を兼ね備えていたからでしょうか。
 
被災地・福島県相馬市では子どもたちを前に、「皆さんの中に人格という竜がいます。年を取って経験を積むほど竜は大きく強くなります」と語り掛けました。
 
ブ-タンの国旗にも描かれている竜を、人々の人格に喩えた話は味わい深いものです。またそこには被災地への労わりと大きな励ましが含まれていたものと思われます。
 
週末の土曜日に訪れた京都では生憎、雨に降られてしまい少しお気の毒でしたが、少しもそんな素振りも見せず、自分の傘を住職にそっと差し掛けていた優しさも映し出されていました。
 
人間の幸せとは何なのでしょうか。それは決して物質的な豊かさで満たされるものではないでしょう。GNPを追い求めたばかりに失ってしまったものの大切さを、来日のブ-タン国王夫妻から改めて知らされたものです。

2011.11.18

環境は刻々変化する No.2111

週代わりで毎朝、当番の社員から、今日の気がついた一言を発表してもらっているのですが、今週当番の女子社員からこんな話を聞かせてもらいました。
 
自宅近くのコンビニの話です。この11月から自宅に向かう道路の途中にある、橋が架け替え工事で通行止めとなりました。従って通行止め初日は近隣の道路が大渋滞を招いたとのことですが、普段はあまり走っていないように思える、この道路でも少なからぬ影響があるようです。
 
この余波をまともに食らっているのが、道路に隣接するコンビニです。橋が通れないため、この道路を車が全く走らなくなったからです。
 
ここに彼女の友人が勤めていることから聞き出したらしいのですが、1日あたり8万円ぐらい、売り上げが少なくなっているというのです。
 
ですから単純に計算しても1ヶ月に240万、年にすれば3000万近い売り上げの減少となります。こうなればもう当事者にとっては死活問題です。そして悲惨なのはこの工事のため、2年半もの間、道路が通れなくなるというのです。
 
従って店のオ-ナ-はこの橋の架け替えを受け持っている国交省管理局に掛け合ったとのことですが、次の日だけ多くの工事関係者が立ち寄り、その日だけは売り上げが少し増えましたが、根本的な問題解決にはいたりません。
 
またこの近くにあるパチンコ店も同様で、通行止め以来、客足がさっぱり遠のいているというのです。資金力に物言わせているパチンコ店はともかくとして、いったいコンビニはどう、この降り掛かった苦難に対処していけばいいのでしょうか。
 
この話を聞いて、決して他人事ではないものを感じました。ある日突然、経営環境が激変するということは私たちの周辺でも起こり得ることです。顧客である企業の工場廃止や移転に伴うことや、全く予期せぬ出来事で周辺の条件が変わってしまうことです。
 
こうした顧客に1社依存で頼りきっていれば尚更のことです。今、日本は円高の影響で国内での生産が限界を感じ、海外に工場をシフトしている企業が少なくありません。こうした影響から、同様な経営環境の変化に直面している企業も少なくないものと思われます。
 
蛇足ながら、紹介したコンビニのオ-ナ-はそのストレスから耳が聞こえなくなり、病院にまで通っていると言います。他山の石とせず、私たちが生き残れる道をしっかりと考えていかなければいけない、時代への突入を実感しているものです。

2011.11.16

おかしな国での試合 No.2110

不敗を誇っていたザックジャパンが、ついに昨日の北朝鮮戦に初の1敗を喫しました。でもアウェイの試合と言っても、あそこまで管理統制下に置かれては敗北も仕方ないのではないでしょうか。
 
それにしても北朝鮮という国は聞きしに勝る国ですね。この試合、静岡に研修に出掛けていたため、観ることはできませんでしたが、ニュ-ス等によればその異常さが伝わってきます。
 
まず競技場を埋めた5万人の北朝鮮の市民、たった150人の日本人サポ-タ-に対し、比べようもないほどの異様な勢力です。しかも日本のサポ-タ-には日の丸、鳴り物、横断幕の3点セットの持ち込みを禁止したにもかかわらず、自国の国旗や赤旗がはためき、メガホンと太鼓を使っての競技場を揺るがすような応援ぶりです。
 
また日本人サポ-タ-の周囲には軍の保安員が取り囲み、立たせてももらえない始末です。そして開始前の国歌・日の丸の演奏にも音楽がかき消されるほどの、大観衆からのブ-イングが起こっていました。
 
これが国交のない国での試合なのでしょうか。観衆は一糸乱れぬ統率の取れた応援で、ウェ-ブやハングルの人文字まで繰り出していましたが、これも事前でのリハ-サルなどがあったのでしょう。
 
聞くところによると、この試合の入場料は北朝鮮の人の1ヶ月分の給料に値すると言います。従って5万人のほとんどが軍人もしくはそれに近い選ばれた人とも言われています。
 
それから日本人選手は前日の入国の際、3時間も4時間も足止めを食らったとのことです。また日本はもう予選突破を決めていることから、メンバ-も代えてこの試合に臨んでいました。
 
このようなことから勝利への執念が北朝鮮にはとても及ばず、敗北は仕方ないのではないでしょうか。そして異様な雰囲気の中でのこうした試合は、今後のよい経験になったかもしれません。
 
逆に考えたら、あのような雰囲気の中で、もし日本が勝っていたら不測の事態を招いていたかもしれません。とにかくおかしな国ですから、何が起こるか判りません。改めて北朝鮮という国の異様さを知らされた試合でもありました。
 
明日17日は早朝より、東京ビッグサイトへ一日、システムコントロ-ルフェア視察研修に出掛けるため、カキコミは休ませていただきます。

2011.11.15

無関心・無慈悲の風潮 No.2109

中国でこんな事件がありました。広東省仏山市の路上で、2歳の女の子が車にひき逃げされ、18人もの人がその場を通りかかったのに、助けもしないことから女の子は別の車にひかれてしまったというのです。
 
ひかれた女の子はその後、病院に運ばれたが意識不明だと言われています。残された現場の防犯ビデオの映像によると、路上に倒れて苦しんでいる女児をよけたり、バイクを止めてのぞき込んだ後に通り過ぎたりする人々の姿があると言います。
 
無関心、無慈悲の心がここまで浸透してきてしまったのでしょうか。地元ではこの事件を受けて、物質的に豊かになった代わりに人々の心が失われたとか、世の中の道徳心が地に落ちたという、嘆きが中国全土に広がっているそうです。
 
由々しきことです。一度ひかれた女児は倒れてから手を動かすなどして、助けを求めていたと言います。しかし見てみぬ振りをしたり、覗き込んだりしているくせに手を貸そうとしなかったために、もう一台の車にひかれてしまったのです。
 
事件後、中国版ツイッター「微博」上では18人に対し、冷血動物だいう書き込みが殺到し、中国の発展の裏側で、社会の中で面倒なことに関わりたくないという計算や自己中心主義が蔓延り、社会道徳が崩壊しているとの嘆きの声が多数寄せられているとのことです。
 
でも反面、2006年南京で起きた、ある事件の影響があるという、この18人に対し同情的な意見も寄せられています。その事件とは、バス停で転倒してけがをした高齢の女性を、若い男性が善意で病院に搬送しました。
 
ところが、逆に女性から「この男に突き落とされて骨折した」と主張され、損害賠償金を払わされる羽目になったという事件です。ある意味では何とも中国らしい事件とも言えるかもしれません。
 
こうした臭いものには蓋とか、見てみぬ振りをして他人のことには全く無関心という風潮は、このお隣り中国に限らず、わが国も人事ではないかもしれません。我が国では昔から言い伝えられている、良いことわざがあります。
 
袖すり合うも他生の縁」ちょっとした事も全て偶然ではなく、前世からの因縁によるという意味らしいのです。私たちはたった1回しかない人生ゆえに、大いに人々に関わって生きていきたいものです。

2011.11.14

お家騒動 No.2108

あの伝統ある巨人軍にお家騒動が勃発しました。球団代表である清武氏がグル-プの総帥とも言える、読売新聞グル-プ本社代表取締役会長・渡邉恒雄氏(通称ナベツネさん)に反旗を翻したのです。
 
その声明によると、来年度ヘッドコ-チとして引き続き予定していた岡崎氏が、ナベツネさんの鶴の一声で覆されそうになっていると言うのです。
 
球団代表が全く耳にしていなかった江川氏ヘッドコ-チ就任の話が出てきたり、去る10月20日に来年度コ-チスタッフの内容や構想も、ナベツネさんのところに出向き、報告して了承も得ているのにもかかわらず、酔った席で俺には一切報告もなしに勝手に人事をいじっているなどと発言していることに対してです。
 
つまりナベツネさんが球団を私物化し、プロ野球界のル-ルを無視した、球界で生きる選手、コーチ、監督の基本的人権をないがしろにしたという告発なのです。
 
これに対し、ナベツネさんの方も翌日以降、早速その反論を発表し、江川助監督の話は監督である原さんとも話し合い済みであり、今シ-ズンの不振も清武補強がほとんど失敗による原因で、原監督にも不満がないわけではなく、むしろ監督は会長寄りとのニュアンスを伝えています。
 
また清武さんが、現在のオ-ナ-である桃井さんの突然のオ-ナ-職剥奪についても、ナベツネさんの不合理について述べているにもかかわらず、当の桃井オ-ナ-がこの発言を支持していることもなく、全く孤立しているような状態なのです。
 
事の真偽は、部外者である私たちにはとても判断がつかないものですが、涙ながらに会見を開き、勇気を持って経営のトップにぶつかっていった清武さんの肩を何となく持ちたくなるものです。
 
それと言うのも、今回のベイスタ-ズ身売り問題等、まるで球界を自分ひとりが仕切っているようにも感ずる、以前から何かと問題発言が多いナベツネさんだからです。
 
まあ、それだけ政界などにも密接に通じ、大きな力を持つナベツネさんのことだから、周囲が今まであまりにもモノが言えず遠慮していたのでしょうが、ドラフト無視など強者の論理を振りかざす言動や不遜な態度には、私ばかりでなく面白く思っていなかった人は決して少なくなかったものと思われます。
 
やはり球界の盟主たる巨人軍のことですから、この問題を誰もが納得のいく、スッキリした解決を図ってもらいたいと思います。それにしてもあの江川さん、今回のことはご本人とは全く関係ないところでしょうが、何かと騒ぎに絡むものですね。それと原監督と清武代表の関係も今後、気になるところです。

2011.11.11

低度数の焼酎 No.2107

昨日触れたオリンパスの前身、高千穂ということではなく、九州のほぼ真ん中に位置し、「天孫降臨」の伝承地として知られる、本物の地・高千穂は水にも恵まれている地です。
 
このおいしい水を利用した、低度数の焼酎について書かれていました。これからはだんだん寒くなっていく季節、水割りというかどちらかと言えばお湯割りがおいしいものですが、一時のブ-ムが落ち着き、売り上げは頭打ちとなっている焼酎の話題です。
 
ここで考え出したのが低度数の焼酎です。最近ではウィスキ-を炭酸で割ったハイボ-ルとか、韓国生まれのマッコリが人気を集めていますが、これに対抗していこうとする狙いです。
 
今売り出されている本格焼酎は一般的には25度のものですが、ある会社で作られたこの麦焼酎は18度。40度半ばの蒸留した麦焼酎を水で割って度数を下げたもので、創業以来18度で売り出すのは初めてと言います。
 
薄くしたのは、焼酎を飲みなれない女性や若者のハ-トを掴むことと、原酒を薄める水にこだわりたかったとの理由からです。消費者に飲まれる際、水道の蛇口から出る水で割られてしまうのであれば、最初からおいしい水で割ってしまおうと考えたのです。
 
焼酎と水とがうまくなじむと、そのまろやかさが増すことから、試作は12~20度まで度数を変えて社員が利き酒を繰り返し生まれたと言います。この18度が飲みやすく、かつ本来の香ばしさや華やかさが残っていたからでしょう。
 
そして度数を抑えた分、価格も控えめにしていて、1升瓶で約800~900えんぐらい安くなっているというから買いやすいかもしれません。こうした低度数の焼酎は、九州の他の蔵元でも開発が相次いでいると言われます。
 
やはり既存の分野にあぐらを掻いているばかりではなく、様々な分野でこうした新しい取り組みやチャレンジが求められているのでしょう。また企業30年説などもあるとおり、変化を持たない戦略ではなかなか生き残りが難しくなるのではないでしょうか。
 
蛇足ながら、焼酎のお湯割りは焼酎にお湯を注ぐのではなく、熱く沸かしたお湯の中に焼酎を入れるほうがまろやかさが増すものです。是非、お試し下さい。

2011.11.10

隠ぺい工作 No.2106

昨日は静岡大学に出向き、人文学部の学生さんを相手に90分の講義をしてまいりました。これは中小企業家同友会と静岡大学の連携講座で、大学の教授とは全く違った、中小企業の経営者としての立場から、昨年に引き続き講師を務めたものです。
 
初めて行った昨年よりは、ずっと落ち着いてその役を務めることができましたが、いくら学生さんたち聴講者が変わっているからといえ、2年続けて同じような話をすることには少し抵抗があるものです。そしてどうしても聴いている方々の反応が気になりますが、私にとっても貴重な経験だと思っています。
 
さて過日触れたオリンパス問題ですが、ようやくその裏側に潜む問題が明らかにされてきました。解任された前社長のマイケル・ウッドフォード氏の指摘による、多額の企業買収とその手数料の根拠が不明となっている問題です。
 
調べによると、資源リサイクル会社など国内3社の企業買収には、その資産価値に見合わない高額な買収価格が発表されていましたが、資金の一部は同社が1990年代から抱えていた有価証券投資などの失敗による損失穴埋めに流用されたとのことです。
 
また当時同社の監査法人を務めていた、あずさ監査法人から不自然な買収問題の指摘をされていたにも関わらず、社内的に問題視せず、同法人は解約されて別の法人に代えられたという経緯も発覚しました。
 
明らかに当時の執行部役員による隠ぺい工作です。それは損失隠しに使われた手法で、保有株や不動産が値下がりした企業が損失表面化を避けるため、決算期が異なる関連企業に、含み損のある有価証券などを一時的に売却する、「飛ばし」というものらしいのです。
 
ですからオリンパスはバブル当時、財テクに失敗し、90年代に千数百億円の含み損を抱えていたとのことです。それを長いこと引きずってきて、長いものには巻かれろ体質で内部では問題化されなかったことを、新進気鋭の外様であるマイケル・ウッドフォード社長の出現で表面化されたのでしょう。
 
こうなるとオリンパスの1社の問題が、さも日本的企業全般に共通しているような誤解さえ与えかねません。オリンパスはこれにより決算の公表が期日までにできないことから監査銘柄株式とされ、来月14日までに決算発表ができないと上場廃止となります。
 
まさに光学機器の分野では、世界を席巻した繁栄から没落の一途をたどるものです。オリンパスの前身は高千穂製作所と言います。神々が宿る高千穂の峰から、世界の高天原をめざそうと、その名「オリンパス」はギリシャ神話の聖地から名づけられたとのことです。この有り様ではその名が寂しく泣いているものです。

2011.11.09

笑顔がもたらした優勝 No.2105

先日の女子ゴルフ、ミズノクラシックで上田桃子選手が2年ぶりの優勝を飾りました。中国のフォン・シャンシャンという、体格的にいかにも飛ばしそうな選手とのプレ-オフの末、もぎとった勝利なのですが、久しぶりの日本人選手の活躍で、少し溜飲が下がったものです。
 
それというのも、日本で開催されているこの女子ゴルフツア-ですが、最近では韓国や中国、台湾の選手の台頭がめざましく、現在の賞金王にしたって、2年続けて韓国のアン・ソンジュ選手に持っていかれそうな様相です。
 
そんなわけで、しっかりしろと日本人選手に叱咤激励したくなっていたのは、決して私だけではなかったと思います。そんな中、プレ-オフにもつれ込み、またまた雲行きがあやしくなっていましたが、見事その3ホ-ル目でバ-ディにて決着をつけてくれたのです。
 
この上田選手、ここしばらく勝てないどころか、予選落ちなども続いていたことから「もうゴルフをやめたい」とまで思っていたこともあったみたいです。
 
日本での賞金女王という実績を引き下げて、2008年から米ツア-に参戦していたのですが、なかなか勝てず、4年が経過した今、もう勝てないのではないかという恐怖心にまで襲われていたと言います。
 
そんな彼女を少しでも陰で支えていたのは、一緒にツア-で活躍している、宮里藍、宮里美香の両選手の存在だとも言われています。今回の優勝でもプレ-オフ前から18番のグリ-ン横に待機していて、声援を送りながら優勝が決まると真っ先に祝福する姿が映し出されていました。
 
やはり、単身アメリカに乗り込んでプレ-するというのは、私たちの想像以上に孤独なのでしょう。日本のト-ナメントと言っても、米ツア-の公式戦も兼ねている、この大会での優勝で無条件に3年間のシ-ド権も手にすることができました。
 
これからはもっと伸び伸びとプレ-することができるのではないでしょうか。それから今大会で特に目立っていたのが彼女の笑顔です。終盤のきっと緊張していると思われる場面でも、終始このニコニコ顔を絶やしませんでした。
 
これは今までの彼女を知る人なら、大きな変化とも言えるでしょう。以前、問題視された優勝を逃したときのブスッとした顔はすっかり消えていました。きっと意識して心がけていたのではないでしょうか。
 
このように笑顔のほうがずっと素敵ですし、魅力的です。またそれは周囲を和ませ、幸せを与えてくれるものではないでしょうか。

2011.11.08

ネット上のヤラセ No.2104

やはりヤクルトは中日に敵いませんでした。これで今年の日本シリ-ズはソフトバンク対中日の戦いとなりました。長いことシリ-ズに出れそうで出れなかった、ソフトバンクにも応援したい気持ちもありますが、落合監督も最後だし、どっちも頑張ってもらいたいものです。
 
さて今日はネットの話題です。オンラインショッピングとか、宿泊したホテルや旅館など、利用者の声が今、ネット上では当たり前のように寄せられ、またそうした感想などが結構無視できなくなっているのが現状です。
 
その寄せられる声がもし、ヤラセだったらどうなのでしょう。そんなところまで、こうしたヤラセが蔓延っているとは露知らなかったものですが、どうやら、その道のプロらしき業者がいると言うのです。
 
次のある営業資料がネットに流失したとのことです。「クチコミを活性化して、潜在顧客の関心を喚起します」。都内のネット関連会社のもので、依頼でこのヤラセ書き込みをすることが赤裸々に記載されていたと言います。
 
これでは昔、お祭りの出店でよく言われた、サクラと全く変わらないものではないでしょうか。よくもないのにさも効果があると触れ回ったり、普通の施設なのに大変サ-ビスがよく満足したとカキコミされれば、ネットを見た人間は信用してしまいます。
 
これでは詐欺みたいなものです。果たしてこうした商法に違法性があるのでしょうか。調べてみると、ある会社の場合、初期費用3万円、月15回のカキコミで4万円、50回なら11万円と言います。
 
また他のところでは、このクチコミを70%以上の人が信用すると営業を持ち掛け、月100件のカキコミで初期費用込みで80万円と提示してきたそうです。
 
そして怖いのはこうした誘いをむげに断わると、相手がカキコミ業者だけに何を書かれるか判りません。クチコミででたらめを書かれたことには、商売はあがったりになってしまいます。
 
ですから予算がないからと言って、断わるしかないような始末です。このようなことから、サイトの運営業者も24時間態勢でカキコミを監視したりして、その対策も講じてはいます。
 
しかしながら行政処分上では、その対象はこうしたカキコミ業者ではなく、その依頼者だと言われているのです。以上のことから、なかなか処分が難しいことゆえ、私たちに必要なのは何でもかんでもカキコミの記載を鵜呑みにするのではなく、実物を確かめたり、他のいろいろなサイトを注視したり必要があるものです。
 
とにかく、こうした分野までヤラセが蔓延っているほど、ネットが日常生活上に不可欠となっている現在は、ある意味では文化が進んでいるようで、情報過多が災いし、逆に暮らしにくくなっているとも言えるのではないでしょうか。

2011.11.04

ちょっと良い話part84 No.2103

昨日は文化の日でした。この11月3日という日は本当に雨の降らない日ですね。近年、この日が雨だった記憶はほとんどありません。また今年は11月だというに、まだまだ暖かな日が続いています。これもやはり異常気象なのでしょうか。
 
大好きな母さんへ」という、ちょっと良い話です。話というか、いちばん自分の思いを伝えたい相手への強いメッセ-ジなのですが、新聞に載っていた恋文大賞から記載させていただきました。
 
僕が大学受験で上京する時、30cm四方もある巨大な弁当を持たせてくれましたね。それはありとあらゆるおかずの詰まっている、弁当の百科事典のような華やかさでした。

僕は巨大な弁当に注がれる周囲の客の視線を気にしながら、フタを少しだけ持ち上げ箸を突っ込み、わずか三口か四口食べただけで網棚に仕舞い込んだのでした。

恥ずかしさのあまり東京駅で風呂敷ごと捨ててしまった僕は、今になって、あの巨大な弁当に込められた母さんの計り知れない大きな愛を感じています。

商売がなかなか軌道に乗らず、どんなつらい苦しい思いをしたか、当時の僕には想像もつきませんでした。生意気盛りの反抗期の僕は、母さんが風呂の燃料用にと魚屋からもらった古い魚箱を、リヤカ-で運ぶこともせず、斧で割ることもしませんでした。

滞納した授業料を催促する僕に、どんな思いで「もう少し待ちなさい」と言ったことでしょう。二千円の通学定期も満足に買えなかった貧乏の中で独立する、新聞奨学生となって大学に行くと宣言した僕を、金銭的援助の出来なかった母さんは、どんな思いで駅のホ-ムから見送ったことでしょう。

僕が上京してから服やお菓子を送ってくれた時、一緒に入れてあった五千円札が思い出されます。毎回判で押したような母さんの生活上の注意の手紙が思い出されます。

母さんの愛を僕はずいぶん裏切りました。でも、それでもなお、母さんは僕を愛し続けてくれました。その愛情の深さに僕はおびえるほどです。

そして今、53歳の息子が泣きながら、鼻をかみながら、この手紙を書いていることで、親不孝の何分の一かでも許してほしいと思っているのです。

 
本当に母の子どもを思う気持ちは、あの大きな海よりも深く、山の頂きよりも高いものです。この文を読んで自分の中学時代を思い出しました。弁当のおかずと言ったら、じゃがいもや、ひじきなどの煮たものがたった1色しか入っていないものでした。
 
今のお母さんが子どもに作って持たせているような、きらびやかな彩りのものとは、とても似ても似つかないものだったのです。ですから腹は空いているものの、そんな母親の弁当をとても友達には見せびらかして食べれなかったものです。
 
でも今思うと、母親はそれでも精一杯作っていたのでしょうね。今更ながら、晩年、認知で苦しんでいた亡き母親にもう少し親孝行らしきことができなかったか、気持ちの中で一抹の寂しさを覚えるものです。
 
7日の月曜日はお客様のお伴で、1日留守にするためカキコミは休ませていただきます。

2011.11.02

間が持たない人たち No.2102

間が持たない人たち」という記事が新聞に載っていました。その概要は以下のとおりです。
 
アメリカの人気テレビ番組「マッドマン」に注目していたとき、気になった箇所があった。広告業界で働く人たちが織りなす日常を、毒気とユ-モアで見事に描いているのだが、登場人物が実によくたばこを吸う。

今だからこそ気になるものだろうが、ほとんどの人物がタバコを携帯し、会議中や食事中でも必ず喫煙を楽しむ。しかしながら現実には近年、禁煙が叫ばれ、周囲の人への配慮から喫煙場所が年々縮小されている。

また増税の対象商品ともなっていることから、愛煙家でも禁煙に向かわざるをえなくなっている人が少なくない。

こうしたかつての、たばこのように、多くの人たちが常に手にし、時間をつぶすために活用しているモノがある。携帯電話だ。

会議や外出に持ち歩くだけではない。電車に乗っても、画面とにらめっこをしている人は多い。誰かとコミュニケ-ションをとる他、情報を入手し、あるいはゲ-ムを楽しみ、時間をつぶしている。

間が持たない時、現代人はたばこではなく、携帯電話に依存していると言える。そしてそれは大きな市場を生んでいる。

しかし、そんな携帯電話にも弱みはある。幾度かその電磁波が人の脳に影響を与えることが話題となった。今後その使用がたばこ同様、健康上の理由から禁止されることもないわけではない。

あるいは情報過多から逃れようと、あえて情報機器を携帯しない時代が来るかもしれない。その時、時代は間が持たない人たちに何を提供するだろうか。

 
このご指摘のとおり、電車に乗っても10人のうち、8人ぐらいはこの携帯とにらめっこです。最近ではアイフォンとかアイパッド等、多機能製品が主流となっていることから、益々その傾向は強くなっています。
 
読む本さえ、そうした端末で眺めることができるわけです。でもこの傾向が、果たして私たちにとってよいことなのでしょうか。日々会社ではパソコンと睨み合い、そしてその時間外、携帯端末に首っ引きでは体、特に目が休まるときがないのではないでしょうか。
 
その上、自分だけの世界に入りがちで、お互い顔を付き合わせたコミュニケ-ションが不足しがちです。ですから最近では、人の目を見て話す若者が減っている始末です。私たちの貴重な人生はたった1回しかありません。それだけにもっと顔を上げて、おおらかに生きていったほうがよいと思うのですが...

2011.11.01

嬉しくなる不正経理 No.2101

CS第1ステ-ジではヤクルトが巨人を下しました。第2戦の様子ではヤクルト不利かなと思ったのですが、今年のペナントレ-スを象徴しているような、全体的に不甲斐ない巨人が浮き彫りとなったゲ-ムでした。でもヤクルト、1勝のアドバンテ-ジのある中日にはどうでしょうか。優勝を逃した終盤の雪辱を果たしてもらいたいのですが...
 
さて、新聞に国民宿舎で不正会計処理との見出しを見つけ、「ああ、また不祥事なのか」と思い、読んでいったら、ちょっとその内容が着服などとは全く違う、どちらかと言うと嬉しくなるようなことで安心しました。
 
茨城県日立市にある国民宿舎「鵜の岬」は、全国122ある国民宿舎の中で、22年連続の宿泊利用率1番の人気ある宿泊施設です。この人気が高いというのは、やはり料理の質の高さにあったのでしょう。
 
しかし、この宿舎を運営する公社は県からの収支改善要求を受け、食事の売上高に占める食材費の割合を2008年度から引き下げる目標を立てていました。
 
これにより人気の食事メニュ-を少し落とさなければいけなくなったのです。でも来場してくれるお客さんのことを考えると、 現場の料理人らは「質を落としたくない」と反対しました。
 
こうしてその板挟みになった経理担当者が、実際に使った食材よりも少なめに帳簿に記入したのです。調べによると、台帳上は900キロあるはずの冷凍肉が実際には60キロほどだったり、2000キロあるはずの魚が100キロしかなかった事例が見つかったというのです。
 
2008年度からの架空計上分は今年の8月末時点で7088万円にものぼったそうです。 この結果、不正に会計処理した担当者である、管理課の課長と職員が停職や減給などの処分を受けることになったのです。
 
でもこの事件、考えてみると、水増しして個人が着服したわけではなく、私たちお客にとっても、本来減らされるはずの食材がそのまま提供し続けてもらっていたのです。
 
そうしたお客の期待を裏切りたくなく、少しでもその喜ぶ顔が見たいがための処置だったのです。ですから処分を受けた職員は少し可哀想な気もしますが、不正経理と言われれば仕方のないところかもしれません。
 
しかしながら、お客の喜ぶ顔を描きながら仕事ができるということは、働く生きがいでもあり、やりがいにも大きく繋がるものです。そうしたスタッフがいる限り、今回の不正事件は鵜の岬にとって、今後を大きく左右されるものではないと思っています。むしろ、この「鵜の岬」にちょっと行きたくなったものです。

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