会長の”三行日記”

2011.02.21

五体不満足のその後 No.1959

土曜日は仲間内の新年会で、やはり恒例となっている仲間の一人が営む民宿で行われました。この民宿が諸事情で今年3月一杯で営業を終了するということですが、今までずいぶんと楽しませて頂いただけに、とても寂しく思っています。
 
でも心置けない同級生の集まりは、いつも賑やかで楽しいものです。永年続くそのやりとりは年が変わっても少しも変わるものではないのですが、やはり捨てることのできない貴重な繋がりです。さてこのベ-スがなくなってしまう来年からは果たしてどうなるものでしょうか。
 
話題は変わりますが、あのベストセラ-となった「五体不満足」の著者である、乙武洋匡さんが今度は保育園を作るという記事を見ました。昨春までは3年間、東京杉並区の小学校教員として勤められていた方です。
 
ご存知の通り、乙武さんは生まれつき両腕と両脚がない、先天性四肢切断という障害を抱えているのにもめげず、都立の高校から早稲田大学政経学部に進み、その大学時代の活動と生活体験を綴った著書「五体不満足」が大きな反響を呼んだものです。
 
特に「障害は不便です。しかし、不幸ではありません」という言葉は、人々の胸に大きく刻み付けられ忘れられないものとなっています。
 
この乙武さんが大学卒業後、一時期、スポーツライターとしての時代を経て、以前より教育について関心が高かったことから、教員免許を取得して先生となったのです。そして2001年には結婚して、今は既に二人の男の子の父親でもあるわけです。
 
そして3年間の小学校の教員生活を無事に務め上げ、今度は保育園にチャレンジすると言うのです。伝えるところによると、保育園は地域に根ざした開かれたものにしたいとのことです。
 
園舎の入口には園児の作品を展示したギャラリ-や、地元のパン屋さんがプロデュ-スするカフェも開くと言います。また地域コ-ディネ-タ-を専属で置き、園の紹介や地域住民と園児と親が交流するイベントなどを手がけたいとのことです。
 
近年、園児や児童への危害を恐れ、安全を重視し門扉を閉ざして、地域との結びつきが弱まる傾向が強くなっていますが、これを改善しようというものです。また教員経験から「子育てに悩んでいる親や、大人の愛情が不足している子どもを地域で助ける必要がある」との考えからです。
 
さすが乙武さんですね。少しもその体の不自由さを感じません。絶えず前向きに突き進むその姿に、本当に敬意を表するものです。体に少しも不便は感じなくても、心に障害を持つ人がいっぱいいるだけに、是非その前向きな話を聴かせてやりたいものです。